第33回土木計画学研究発表会・講演集
(この内容は発表申込み時のものです)
発表者土屋哲(長岡技術科学大学)
連名者 多々納裕一(京都大学防災研究所),岡田憲夫(京都大学防災研究所)
論文について
論文タイトル
地震災害時のライフライン途絶と回復過程に着目した被害計量化に関する研究
論文概要
災害による被害を考える際,近年では都市化の影響などにより経済被害・間接被害が無視できない大きさになってきている.平成16年の新潟県中越地震においても,被災地のみならず,直接的な被災をまぬがれた周辺地域に経済的被害が発生したことは確かであろう.間接被害の発生メカニズムは複雑であるが,本研究ではその一要因であるライフラインに焦点を当てる.災害時において,特に災害直後の企業の操業は,電力・ガス・水道といったユーティリティの供給状況に大きく依存するといっても過言ではなく,ライフラインの途絶が経済活動に及ぼす影響をモデルに組み込み,災害時の機能損傷やその回復過程,そしてライフライン途絶による負の影響を緩和させる仕組みを反映させて被害の計量化を行うことが必要である.そのため,ユーティリティの供給水準を企業の生産関数中に反映させた応用一般均衡モデルを構築して分析を行うこととする.