第33回土木計画学研究発表会・講演集
(この内容は発表申込み時のものです)
発表者家田仁(東京大学)
論文について
論文タイトル
今後の国土形成計画に関わるいくつかの計画学上の課題について
論文概要
国土総合開発計画にかわる国土形成計画が、現在国で検討されていることろである。より理念的な側面が強い国計画と具体性の強い地方ブロック計画という、二ステップの計画となっていることがその特徴である。地方ブロックを検討する際には、国土の全体構造を経済面や生活面など様々な面から検討することが必要である。本稿ではまず消費面・小売り面から、都市群の相互関係を階層的に図化する方法とその結果を、交通条件の変化の影響を合わせて示す。人口減少下で交通基盤などの社会基盤施設量がどのようにあるべきかという点も大きな課題である。ここでは高速道路の延長と、国土面積、人口との関係を、先進国の間で比較し、いわゆる「ルートPA仮説」もしくは「交流人口仮説」が実データをよく説明できることを示した。シームレスアジアに象徴される国際交流もこの度の国土計画が強く意識するところである。ここでは、まず戦前と戦後の高速道路を比較し、大陸との交流意図の有無が交通ネットワーク計画に極めて大きな影響をもたらすことを確認し、さらにコンテナやRORO船の形成する多層的なネットワークの将来的可能性について検討する。