第33回土木計画学研究発表会・講演集 |
|
論文について |
論文タイトル 水資源のガバナンス問題:多目的ダム整備を事例に |
論文概要 現在の多目的ダム整備に関する制度では,治水や発電といった各事業の水容量配分に基づいて事業別に費用負担額が定められ,事業毎に事業実施に関する意思決定が行われる.しかし,現行の制度にはいくつかの点で見直す余地があると考えられる.第一に,一部の事業に対してのみ行われている費用便益分析を多目的ダム整備事業全体に対して実施することが考えられる.第二に,オプションゲーム理論の枠組みを用いて一部の事業が撤退する際の費用負担ルールを見直すことが考えられる.第三に,水利権市場が導入される可能性を踏まえて意思決定ルールを見直すことが考えられる.本研究では,上記3つの視点をどこまで考慮するかで,社会的に望ましい多目的ダム整備の意思決定ルールが大きく変わってくることを明らかにしたうえで,水資源のガバナンス問題について考察する. |