第33回土木計画学研究発表会・講演集
(この内容は発表申込み時のものです)
発表者織田澤利守(東北大学大学院)
論文について
論文タイトル
PFI事業者の資本構成とリスク分担の効率性
論文概要
一般に,PFI事業に参画する民間事業者は資本(株式)と負債によって資金調達を行う.このとき,事業者の有限責任性によって,資産代替(事業者がリスクの高いプロジェクト方法を好んで採用すること)や事業の早期破綻などが引き起こされるというエージェンシー問題が発生する.そのため,PFI事業において,資金調達手段として資本か負債かという選択が無差別であるというモリジアニ=ミラーの命題は成立し得ない.本研究では,事業者と金融機関の間に締結される負債契約を企業資産評価モデルを用いたオプション・ゲームとして定式化し,PFI事業者の資本構成が事業の効率性に与える影響について分析する.その上で,サービス購入型PFI事業を想定し,事業権契約におけるサービス対価の支払い方式(たとえば,キャップ&フロア型方式)を通じた需要リスク分担の有効性について検討する.