第29回土木計画学研究発表会・講演集
(この内容は発表申込み時のものです)
発表者 小林史彦(金沢大学工学部)
論文について
論文タイトル
金沢の「広見」周辺の土地利用の変化に関する調査研究
論文概要
ヨーロッパの都市広場は、広場に面して教会や市役所等の公共的施設が立地し、また市が開かれる等、都市のコミュニティ空間であった。一方、わが国の伝統的都市空間でも、社寺境内や河原等がそのような機能を担っていたが、公共的な街路空間としての広場空間で、そのような機能を担っていたものについては、あまり論じられていない。金沢市の旧城下域には、複数の街路が交差する地点に「広見」と呼ばれる不規則な広場状の形態をもつ街路空間が点在している。これらの「広見」は、現代でも地域の掲示板が設置されたり、ゴミ収集所が設置されたりと、共同的空間としての機能を担っている。また、広見に面して、「銭湯」や「床屋」等、インフォーマルな集会所のような役割を持つと考えられる店舗が立地する例が多く見られる。本研究はこの広見に着目し、各年代の住宅地図等を用いて、広見に面する建物用途の特徴とその経年的変化を明らかにすることを目的とする。