第27回土木計画学研究発表会・講演集
(この内容は発表申込み時のものです)
発表者 宮田鳴門(中京大学大学院経済学研究科)
連名者 鈴木崇児
論文について
論文タイトル
都市交通プロジェクトにおける受益者負担の空間的検討
論文概要
都市交通システムの様々な問題は自動車依存型の都市交通体系に起因している。このため自動車利用者を公共輸送機関へ転換を目的とする高品質な公共輸送サービスの供給が検討されてきた。しかしながら、この試みには次の2つの主要な障害が存在する。自動車利用者が負担している私的交通費用が社会的交通費用を下回ること、自動車交通に対抗できるような高品質なサービスを提供するための巨額な投資費用を公共輸送企業が単独で調達することが困難なことである。財政事情の逼迫する今日では都市交通プロジェクトの資金調達に関わる負担者の合意形成がますます困難になっており、計画者の果たすべき説明責任と役割が重要となっている。そこで本研究ではこの役割に資することを目的とし、公共輸送機関の整備によって生じる効果に応じて各利用者に費用を負担させることで都市交通システム全体の効率性を改善する料金体系を検討し、その受益と負担とのバランスを地理情報システム上で空間的に把握できるシステムを検討する。