第25回土木計画学研究発表会・講演集

概要
講演者
鈴木崇児(中京大学 経済学部)
題目
都市鉄道整備における費用負担スキームの比較分析
講演概要
都市交通システムにおけるエネルギー消費の効率化や環境負荷の削減を実現する方策として都市鉄道整備を中心とした公共輸送システムの再生が注目を集めている。しかしながら,現実には我が国の中小都市の鉄道は総じて赤字であり,現在の経営環境のもとで都市交通システム全体を効率化する役割を鉄道企業に期待するのは難しい。鉄道経営を維持可能にすることは鉄道整備を都市交通システム効率化の手段として位置づけるための前提条件である。新たな鉄道整備を可能とするためには補助を含む都市鉄道利用者以外の費用負担が必要であり,各主体間の費用負担に対する合意形成が可能な状況を効果的に作り出すことは政策の成否を左右する重要な鍵となる。以上の観点から本研究では都市鉄道の導入を例として,道路混雑の影響を内生化した次善料金形成モデルを構築し,自動車利用者を含む各経済主体の費用負担方法の違いが都市交通システムに与える影響を比較分析する。