4.鉄道

北陸線・敦賀〜森田間工事中の大水害(明治28年) (敦賀線被害を含む。葉原隧道、柳ヶ瀬隧道等)

【明治28年の大水害】敦賀・森田間建設工事は起工以来着々進捗し、27年度内に10分の7を竣工し、28年度に入り隧道も軌条敷設の工を除き大略成工を告げたのである。然るに28年7月29日、暴風雨のため未曾有の災害を被り、就中敦賀今庄間最も甚だしく、今庄・日野川間これに亜ぎ、敦賀出張所の如きも浸水床上三尺余に及んだのである。(原文改行)敦賀・今庄間に於ては木ノ芽、鹿蒜、日野等の諸川俄に膨漲し、堤塘数ヶ所を決潰し濁流氾濫するに至った。殊に阿曾山中の各渓谷より一時に巨木大石を押し流し来り、その奔流の衝突を受けた築堤、鉄道橋梁コルベルト、石垣其他の建造物は悉くみじめな損害を被ったのである。即ち築堤は延長四哩半土坪4万3千余坪、橋梁は4ヶ所建物3棟及石垣千7百余坪を破壊されたのである。(原文改行)殊に甚しきは隧道坑内にまで土石流れ込み、殆ど通行の間隙なきまでに填塞したのみならず、煉化石セメント支保工材等の重要材料物品を流失又は浸潰して或物は廃物たらしめ、全線に亘り殆ど旧観を存せざるに至った。又今庄日野間は築堤延長1哩60鎖、土坪3千30余坪を流失し、橋梁暗渠各1ヶ所を破壊転覆した。(以下略)(出典:『日本鉄道請負業史 明治篇』鉄道建設業協会,1967 「第60 北陸線の建設及同線建設の由来」p.223)


北陸線三号隧道北口


北陸線


北陸線小林谷


林谷 阿曽景


敦賀郡葉原


敦賀郡阿曽浦


敦賀郡阿曽浦


敦賀郡葉原


北陸線杉津役所


北陸線杉津役所


敦賀線市橋


敦賀線


敦賀線麻生口


杉津官舎


敦賀線


敦賀線麻生口


北陸線罠山谷


敦賀線刀根隧道西口


敦賀線刀根隧道東口


北陸線巣走谷


柳ヶ瀬隧道西口


北陸線罠山舎


 


柳ヶ瀬隧道西口前

 
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