掲載雑誌(和): 土木史研究 Vol: 13巻 年: 1993年 頁: 69-80頁 著者(和): 伊東 孝, 石崎 正和 タイトル(和): 文明開化の石桁橋 川崎小泉橋の解体発掘調査とその考察 抄録(和):
小泉橋は、多摩川から取水する二ヶ領用水に架けられた江戸時代の石桁橋である。本橋は、明治期および昭和戦前期に、拡築・補強が行われたが、近世の石桁橋が現役で使用されていた希有の事例である。しかし、二ヶ領用水の河川改修の伴って、本橋が架け替えられることになった。そこで、橋の解体発掘調査を進めた結果、架橋に関する古文書が発見されるなど、興味深い特徴が明らかになった。その一つは、橋台壁にも橋脚を設置していること。もう一つは、太鼓落し仕上げの松丸太一本物が、橋軸方向の土台木として橋長よリも長く通されていたことである。これによリ、橋全体は、松丸太基礎の上で一つの構造体を構成し、不等沈下に対しても極めて強い構造になっている。本論では、これを”一種の免震構造”と呼んだ。そのほか橋脚の瘤出し装飾、漆喰と平落釘を利用したガタ留め、新しい材料としてのセメントと丸棒の使用、江戸時代の橋普請、架橋費用を捻出した「橋山」、天保の石桁橋と明治の拡築工事の経緯など、小泉橋の構造的・歴史的特徴が明らかになった。 キーワード(和): 石桁橋, 伝統工法, 近代土木遺産 掲載雑誌(英): HISTORICAL STUDIES IN CIVIL ENGINEERING 著者(英): Takashi ITOU, Masakazu ISHIZAKI タイトル(英): A STONEBRIDGE ON THE AGE OF CIVILIZATION DISSECTION AND HISTORICAL STUDY OF KOIZUMI BRIDGE IN KAWASAKI CITY 抄録(英):
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